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▼朝、NHKで「純と愛」というドラマがやっている。なんだかしょっ中、ケンカばかりしている。登場人物に変わった性格が多くて、誰にも感情移入できない珍しいドラマなのだ。朝から怒鳴り合われても観るのが面倒なので、テレビはついているがほとんど頭に入っていない。

愛(いとし)という男の人は、朝の連続テレビ小説には珍しく、人の心が読めるという超能力設定なのだ。だが、その超能力で人の心を読んで事前に揉め事を回避する方向にはいかない。どちらかというと火に油を注ぐ。バカなのだろうか。謎である。

純は純で、トラブルを起こし続けないと死んでしまう病気にかかっている人なのだ。毎回なんかやっています。近所に越してきたら、わたしが引越す。

▼誰かに追いかけられたり襲われる夢を見ることは、たまにある。でも自分が誰かを襲う夢を見たのは、憶えている限り初めてだ。日本刀のようなもので人を斬りつけると、斬られたほうは黄色いレゴのようなブロック状になり、バラバラと崩れてしまう。不思議な夢だった。

その崩れてしまうさまが面白くて、何人も斬った。目覚めた後、夢とはいえ人を斬ったことに少し驚いた。なんでこんな夢を見たのだろう。ストレスが溜まっているか、鬱屈しているか、暴力映画を観ていたのか、など考えたが思い当たらない。まあ、たまたまでしょうかね。そういうこともあるよ。すぐにどうでもよくなるのが歳をとったことのメリットだ。

レゴはデンマークの会社であり、「leg godt」はデンマーク語で「よく遊べ」の意味である。今、必要ですか、その豆知識。

▼日記で映画の感想を書くことがある。自分にとってのいい映画というものがあるけど、それは必ずしも人に薦めたくなるものではないのだよね。最近ですと「息もできない」「ブルーバレンタイン」などが自分にとってのいい映画だった。でも、これらの映画を観て愉快な気分になるということはまずない。人生とは、ままならぬものだなあと思う。

良薬は口に苦しである。「純と愛」は違います。あれはただ不愉快になる。朝からケンカすんなー!ってなる。
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author:しゅん, category:日常, 13:35
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▼電車で、席を譲られた人が怒り出したのを見たことがある。そのときは、そんな怒ることもないだろうにと思った。

先日、取引先の人と雑談をした。その男性は65歳ぐらいに見える。体はガッシリとしている。頭には白髪が目立っており、白髪と黒髪の割合は3:7ぐらい。エネルギッシュな人だが、見ようによっては老人と言えないこともない。

「この前、はじめて席を譲られてさ」と、ちょっと寂しそうに話し出した。その人も、それまで席を譲られて怒り出した人を見たことがあったらしく「なんであんなに怒るんだ」と思っていたそうである。でも、自分が譲られたとき、動揺のあまりつっけんどんな態度で断ってしまったそうだ。

そりゃたしかに「あなたは老人に見えますよ」と言われてるに等しいわけだからなあ。「なんだよ、まだ元気だよ」と言いたくなるのかもしれない。いつかはわたしも「よかったらどうぞ」と譲られる日がくるのだ。なのでごく自然な態度で「ああ、ありがとうございます。どうも最近腰が痛くてね」というセリフを練習しています。さあ、来い。準備はできている。

▼老人といえばこんなニュースをやっていた。
「世界最高齢の101歳ランナー、マラソン競技引退へ」(AFP BBNews)
このファウジャ・シンという人は本当にすごい。89歳でマラソンを始めようと思うことがもう考えられないのだけど。

「年齢とともにレースで走ることが『しんどくなってきた』と言う」
いや、89歳で始めたときはしんどくなかったのだろうか。若いときなら金メダル獲れたんじゃないでしょうかね。

「シンさんはレースから引退しても、日課となっている16キロのランニングは続けるという」
たぶん、死ぬことを忘れている。

▼ゲーム「Dの食卓」でお馴染みの飯野賢治さんの訃報のニュースを読んだ。3Dポリゴンのキャラが歩くアドベンチャーって「Dの食卓」が初だったのかもしれない。あのゲームがやりたくて3DOという家庭用ゲーム機を買いました。そして、クリア後すぐに売ったのだった。友人は「3DOは、必ず面白いゲームが出るはずなんだ!」とがんばってましたが、ついにかなわなかった。

飯野さんが原発についてブログで書いている。こういった複雑な問題をブログで書くことは難しいですが、とても冷静な意見だと思います。賛成か反対か、その判断をするために必要な材料はなんだろうという、そこから始めるべきなのだろう。
eno blog(飯野賢治さんブログ)
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author:しゅん, category:日常, 15:51
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映画「カンパニー・メン」
カンパニー・メン
2010年 / アメリカ / 監督:ジョン・ウェルズ / ドラマ


リストラにあったとき、支えてくれるもの。
【あらすじ】
リストラにあったので困ります。困ってる顔しか出てこない。

【感想】
よく似たタイトルで、「カンパニーマン」というヴィンチェンゾ・ナタリ監督のSF映画があります。あれとは別です。

リストラされた人々を描いた映画。わたしたちの周りにある話ですし、とてもよくできています。戦争や人種差別などの悲劇は、やはりどこか遠くで起きている感じがする。「自分の身に起きることかも」と捉えることは難しい。リストラはあまりに近すぎて観た後にぐったりしました。リストラあるあるが山ほど入ってたのよ‥‥。

主に三人の男を中心に話が展開されます。一人目はボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)。総合企業GTXのエリート社員、37歳にして年収12万ドルを稼ぎ、大邸宅に住む。ポルシェにも乗ってるし、ゴルフの会員権も持っている。奥さんと二人の子どもがいる。リーマンショックで突然リストラされます。

本人はリストラされたとき「すぐ次が決まるぜ!俺はエリート社員だからな!よって生活レベルは落としません」などと調子に乗っていたものの、何ヶ月経っても仕事が見つからない。でも近所には無職って思われたくないし、ゴルフも続けたい、家も手放したくない。工務店を経営する義兄(ケビン・コスナー)からは「大工で雇ってやる」と言われるが、肉体労働を見下してるから、そんな仕事はしたくない。

奥さんのマギー(ローズマリー・デウィット)や子どもはとても性格がいい。それによってだいぶボビーは救われている。彼の元同僚が自殺しますが、彼がそこまで追い込まれなかったのは支えてくれる家族に違いがあったからかもしれない。それとブルーカラーと見下していた義兄(ケビン・コスナー)が雇ってくれたのも大きい。皮肉屋でボビーにきついことを言いますが根はいい人なんですよね。しかし、ケビン・コスナー、歳とったなあ。誰かと思ったよ。

トミーリー・ジョーンズ(左)とクリス・クーパー(右)も困ってます。おじいちゃんたちが困ってる姿はかわいらしいなあ。トミーリー・ジョーンズは創業者の一人なので、大量に株を持ってるから生活には困ってないんだけども。

クリス・クーパーは奥さんから「無職だと近所にばれるのが恥ずかしいから6時まで帰ってこないで」とか言われるのが切ないですね。おじいちゃんをいじめるなよー。タダでさえまいってんのに。ヤケを起こしてクビになった会社に石を投げたりしますよ。

リストラにあってしまった大変な人たちを描いているのは確かなのだけど、一方ではアメリカの消費社会の異常さというのも感じました。すぐ住宅ローンが焦げついて家を売らざるを得ないという貯蓄の少なさ、車を2台持ってるとか、外食だ旅行だとか。やはり贅沢しすぎなんじゃないかと思うんだけど。それを異常とも思っていない。

以前観た「フローズン・リバー」でも、トレーラーハウスに住んでいて昼飯代にも事欠く状態なのに大型テレビをレンタルしていたり、どこか異常さを感じさせるところがあった。あきらかにバランスがおかしい。身の丈というのはやはり考える必要がありそうだけども。あれ、わたし、なにか偉そうなことを。何も考えてない人間のクズが偉そうなことを。ひどいこと言わないで。

※ラストシーンに触れています。
映画のラストは、トミーリー・ジョーンズが造船業の会社を起業する。クビになった仲間たちを集めて再起をはかり、マネーゲームではなくまっとうに仕事をしようという希望がもてる終わり方になっている。

そこに救いはあったんだけど、ただGTXをクビになった人たちみんなが集まったってことは、誰も就職決まってなかったってことじゃんかー!怖いわー!これは、会社作ってくれなかったら、みんなまだ無職ということではないか‥‥。

あと、トミーリー・ジョーンズは堂々と不倫をしていますが、リストラというテーマが重過ぎて不倫はまったく気にならない。奥さんより不倫相手のほうが出番が多いし。新しい会社でも不倫相手を共同経営者にしそうである。不倫する気マンマンである。なぜ君はしないの?ぐらいの話である。

とてもいい映画なのでお薦めです、と言いたいものの、会社人間には身につまされる内容です。興味がある方だけ是非是非。


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author:しゅん, category:-, 07:43
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映画「ザ・ファイター」
ザ・ファイター
2010年 / アメリカ / 監督:デヴィッド・O・ラッセル / スポーツ、実話を元にした物語


戦慄の大家族ホラー。家族は絆か呪縛か。
【あらすじ】
家族の期待を一身に背負ってボクシングをします。みんなあれやこれや口を出します。

【感想】ネタバレしてます。
なんの映画と勘違いしたのかわからないんだけど、無人島か何かで殺し合いをする映画なのだと思っていた。観始めて1時間ぐらい経っても殺し合いが始まらない。「まだかなあ、まだかなあ」って、サンタを待つ幼稚園児の純真なまなざしで観てたのに何も起きない。なぜか大家族のゴタゴタが始まっていました。

でも、ある意味、殺し合いよりも怖い映画。何が怖いって家族が怖い。

主役はミッキー(マーク・ウォールバーグ)。大家族の弟である。ボクシング選手としては優れているものの、ここ最近勝ちに恵まれていない。母親のアリス、兄ディッキーを中心として、家族は彼に過剰なまでの期待を掛けている。彼が活躍することで家族が貧困から抜け出せるチャンスがあるのだ。

母親や姉妹はお金、兄はチャンピオンという夢をミッキーに託す。だが母親は金に目がくらみ滅茶苦茶なマッチメイクをするし、兄は麻薬中毒できちんと練習にもこない。そのくせミッキーへの干渉はすさまじい。みんながミッキーに期待して、ぶら下がろうとして、いつかその枝がポキリと折れてしまうんじゃないかと、観ていて不安になるのだ。

ミッキーの性格が優しいので家族との関係を断ち切ることはできない。ガールフレンドのシャーリーン(エイミー・アダムス)は、母と兄と関わらないことを勧める。そのときの家族の反発がものすごい。母親を筆頭に姉妹がシャーリーンの家に押しかける。

左はミッキーのジムで練習を見守る姉妹の皆さま。5人もおるで‥‥。なぜか昼間からたむろしている。働かないのかな‥‥。ミッキー頼みなのかな‥‥。そこんとこも怖いよ。ミッキーをとられることを嫌がって、シャーリーンに「アバズレ!」とか言う。

シャーリーンはシャーリーンで、そんな姉妹を引きずり倒して顔面にパンチを叩き込む。どっちもどっち。ミッキーと付き合うのも命がけである。モンスターマザーと5人姉妹と麻薬中毒の兄がセットでもれなく付いてきます。重すぎるわー。

写真右の女性は母アリス(メリッサ・レオ)。「フローズン・リバー」では、生活苦から犯罪に手を染めるシングルマザー役が印象的でした。今回は息子に執着する母親役がすさまじい。モンスターペアレンツというかモンスターそのもの。父親がいい人というのがこの映画の救いか。

兄ディッキー(クリスチャン・ベイル、写真右、紫の服)は弟ミッキーのコーチ。かつては世界チャンピオンをダウンさせたこともあるボクサーだった。試合では敗れたものの街ではヒーロー扱いされている。今では麻薬中毒だが過去の栄光にすがって生きていた。

クリスチャン・ベイルの麻薬中毒者の役作りがすごかった。虚ろな目、ガリガリに痩せた体、円形脱毛症。役のためとはいえ、すごい痩せっぷりでしたね。「ほ、本当におクスリをやっているんじゃ?」と思わせるほど。母親役のメリッサ・レオは、この映画でアカデミー賞助演女優賞、クリスチャン・ベイルも助演男優賞と、助演がよかったですね。なにせキャラが濃い。

ここまでの話だと家族がまるで重荷にしかなっていないようだけど、マイナスだけでもないんですよね。兄は罪を犯して刑務所にも入りますが、出所後には弟と和解して再びコーチを務めている。家族ともなんとか和解している。

映画の登場人物たちは、家族を断ち切れない絆と信じ込んでいる。それはミッキーも、ディッキーも、母も、姉妹たちもそうである。実際に断ち切れるかどうかは別として、当事者同士がそう信じ込むことで本当にそうなるのかもしれない。それは正の力としても負の力としても働く。結果、ミッキーはチャンピオンを倒し栄光をつかんでサクセスストーリーは完成した。一つ間違えれば家族ごと沈没していそうな話である。実話を元にしているが、どちらにも転びそうな話で、そこに魅力がありますね。

正直なところ、前半の家族のぶら下がり方にげんなりしたものの、その面倒くささを引き受けて関係を続けていこうとするミッキーの姿に感心する。ふつうの人間なら投げ出してしまうんじゃないか。だって母親と姉妹が「ミッキーは、あのアバズレんとこだな!」と、ギャーギャーわめきながら押しかけてくるところなんかホラーだもの。わたしなら死んだフリをする。というか、死ぬ。


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author:しゅん, category:-, 01:46
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映画「ヤコブへの手紙」
ヤコブへの手紙
2009年 / フィンランド / 監督:クラウス・ハロ / ドラマ


与えることは与えられること。
【あらすじ】
終身刑だったが恩赦によって出所したレイラ。そのレイラの身元を引き受けたヤコブ牧師。レイラの仕事は、盲目の牧師のために、牧師の元へ来る手紙を読むことだった。退屈な仕事なのですぐに嫌になります。

【感想】一部ネタバレしてます。
フィンランド映画というのはアキ・カウリスマキ監督のものしか知らないのですが、この映画も淡々としてますね。

終身刑で服役していたレイラ(カリーナ・ハザード)ですが、まったく忙しくもないのに実に嫌そうに仕事をするのがちょっと面白い。太っちょのおばちゃんです。
牧師に来た悩み相談の手紙を読んで返事を書くお仕事。手紙が来すぎた場合は、こっそり捨てたりします。こらこら。

でも、毎日手紙が来るわけでもない。そうするとヤコブ牧師(ヘイッキ・ノウシアイネン)は「わ、わしは必要とされてないのか‥‥」と落ち込んでしまう。そんなガッカリしなくても。おじいちゃんが落ち込んでると、かわいそうになるよ。元気出して、おじいちゃん!

で、手紙がこなくて落ち込む牧師様を、寝っころがってポテチを食べながら「めんどくせーやつだなー」と思っていたレイラだが、ちょっとだけかわいそうになったので、手紙が来たと嘘を言って自分の身の上話を語ります。レイラは牧師のために語っていたはずなのに、牧師との対話によって癒される。牧師もレイラとの対話で、また癒されたのだ。

与えることと与えられることというのは、一般的には与えることが優位と思われているかもしれない。だが本当はどうなのだろう。昔、ある偉い坊さんがいて乞食にお金を恵んだ。乞食は何も言わなかったので、お坊さんは「なぜお礼を言わないのか」と訊いた。

乞食は「お前は金を恵んだことで満足を得たのだから、それが代価だ」と答えた。性格の悪い一休さんみたいなやつである。たしかそんな話だったと思う。

人に何かをしてあげるとき、心のどこかでお礼を求めている部分はある。でも場合によっては、してあげる側が、してもらう側よりも多くのものを受け取っていることさえあるかもしれない。だとすると、わたしたちは人により多くのことをしてあげるべきなのかもしれない。与え合うことでよりよい関係が築ける。隣人を愛すということは、ひいては自分を愛すことにも繋がるのではないか。説教映画といえばそうですけども。

坊さんと乞食の話ですが、どこで読んだか忘れてしまいました。もしご存知の方がおりましたら教えていただければ嬉しいです。お礼はしないけど。だって、あなたたちは教えてやったということで満足という代価を受け取っているのでしょう?優越感にひたっているのでしょう?だから、わたしはその満足代として金銭を要求してもいいと思うんです!なるべく早めに三井住友銀行目黒支店に振り込んでください。


・郵便配達人について(観た人用)
郵便配達人は牧師が盲目なのをいいことに、牧師の家に忍び込んでたびたびお金を失敬している。郵便配達自転車も、おそらく盗んだ金で買ったのだろう。そのくせ牧師に「おや、自転車を替えたのかね?」と訊かれると「わかります?」と嬉しそうに自慢したりする。おまわりさん、コイツです。通報したい。牧師はきっとわかってて許しているのでしょう。
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author:しゅん, category:-, 10:04
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映画「ゴーストライター」
ゴーストライター
2010年 / フランス、ドイツ、イギリス / 監督:ロマン・ポランスキー / サスペンス


疑惑の真相はグーグルに書いてありました
【あらすじ】
元英国首相が手記を出版することになった。手記のゴーストライターとして雇われた主人公(ユアン・マクレガー)。ただのゴーストライターのはずが、資料に秘められた疑惑に気づいたことから陰謀に巻き込まれます。

【感想】ネタバレしてません。
沈鬱で重苦しい曇り空、荒涼たる風景が多く映し出される。その光景はこの映画を端的に表わしている。ヨーロッパ映画らしく、ずーっと陰気な感じでね、出てくる人もみんな怪しいし一癖ありそう。怪しくない人がいないよ。この雰囲気は好き嫌いがかなり分かれるかもしれません。わたしは好きなほうでした。

ユアン・マクレガーが仕事をする元首相の隠れ家。窓が大きくて、木製家具に囲まれた静かな環境。こういうところで仕事したいなあとか思いながら観てました。

左は元首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)。運動好きで快活、気性は激しいが奥さんに頭が上がらない感じ。ピアース・ブロスナンは本当に良かったですね。何を考えているか、わかりそうでわからない感じが。

右は秘書兼愛人のアメリア(キム・キャトラル)。この人、すごくセクシーなんですが当時53歳なんですね。恐るべし。映画の中では三十代半ばに見えました。

主人公との会話では彼女のピリッとしたところがうまく出ている。
「ラング(元首相)とはうまくいってる?」と主人公に訊ね、「うまくいってる。相棒って呼ばれたよ」と主人公が喜んでいると「それは名前をおぼえていないだけよ」と切り返す。こわいわー、この人。静かなサスペンスながら、ニヤッとさせる場面もけっこうあります。

元首相の奥さんルース・ラング(オリヴィア・ウィリアムズ)。ファーストレディらしく、頭の回転が速く、ダンナより肝っ玉が座っている。観終わったあとに思い返せば、どこまでが本心かわからない人です。

主人公(ユアン・マクレガー)は、名前もないゴーストライター。小説家になれるだけの才能はなくて仕事が速いことだけが取り柄。どこにでもいて代わりのきく存在。だからか感情移入がしやすいんですよね。

持ち合わせている正義感もごくごく人並み。元首相の手記を書いていくうちにある疑惑にたどりつくが、それを命をかけて究明するという感じではない。「俺は仕事でやってるだけだし、社会正義とかどうでもいいからほっといてくれ」みたいなの。でもモラルがないとか、そういうことじゃないんですよね。ふつうの人が大きな権力に命を狙われたときって、こんな反応なんじゃないかなと思いました。

で、元首相夫人に誘われると、かなり簡単にヨロヨロっと行ってしまう。「面倒なことになるから絶対に駄目だぞ!」と自分に言い聞かせておきながら、呼ばれた三秒後には「夫人〜!」ってなってるからアホです。共感できるアホです。

謎には大小ありますが、この映画に出てくる謎はわりと大きなものです。それも最初は小さく見せといて、だんだんと大きく、やがて個人では対処のしようがない大きなものへと変貌していくのが怖い。大胆に広げた大風呂敷を最後にはきちんと畳んでいるのが見事でした。

このジワジワ怖くなる感じがいいんですね。前任者の不審な死を追っていくうちに、「なんか僕って前任者と同じ行動してるよね?あれ〜?この展開は‥‥、ひょっとしてアカンやつや!」って、なるのが怖い。派手さはないサスペンスですが面白かったです。


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author:しゅん, category:-, 12:39
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隕石
▼ロシアに隕石が落ちましたね。youtubeではすでにかなりの数の隕石落下動画がアップされていた。そんな動画を眺めていたら興味深い記事を見つけました。今回なんでこんなに隕石の動画がアップされたかといえば、ロシアのトラブルの多さがあるらしい。

「ロシアでは、車のダッシュボードにビデオカメラを据え付けている人が多い。それは、証拠画像を録画しておいて、事故のときに自分の立場を守るため、あるいは悪徳警官に交通違反の罰金(と称するワイロ)を取られるのを防ぐためだ。

Marina Galperinaという人が、こう説明している:
ダッシュボードカメラの記録は、裁判で自分の主張を裏付けるための唯一の方法だ。目撃者は、あてにならない。接触事故は日常茶飯事であり、保険会社は被害者の主張を拒否することで悪名高い。車両込みの保険は保険料がきわめて高く、車の車歴が10年以上なら認められない。事故の大小を問わず、先方の加害者ないし被害者は警察に必ず嘘をつく。追突は、ほとんどの場合当て逃げだ。保険は加害者が見つかって訴えられないかぎり下りないから、ダッシュボードのカメラが逃走する車のナンバーを記録していることが、とても重要なのだ。」(TechCrunch)

トラブル避けの車載カメラが思いもよらぬところで役に立ったという。意外なところで、お国柄が見えて面白い。

▼ネットを見てて思わず保存してしまった。落書きはいかんけどもさあ。ちょっと見事な出来。


▼お世話になっている会社へ。昼、隣席のTさん、女子大生バイトのアタシちゃんと食事。女の人が二人以上揃うと、女対男という対立構造ができる気がする。なぜか男側の弁護をするようにもっていかれる。そんで検察二人の責めが極悪で、やつらは違法な攻撃しかしてこないんですよ。わたしの心の被告人が死んでしまいます。基本的に死刑しか求めてこない。検察と裁判官がグルなんです。

「男女間に友情はあるか」という、どうでもいい話ですが、やはり仕事では見せないやる気を見せてくる。わたしの考えは次のとおりです。

Aさんが「ある」と言えばそれはAさんにとって正しいし、Bさんが「ない」と言えばBさんにとって正しい。「人による」「状況による」としか言えない質問の解答に、普遍的な解答、真理のようなものはない。「ある」と言い張っていたAさんが、その後の経験で「ない」派に転向する、またはその逆もあるからだ。

甘い物が好きな人もいれば苦手な人もいるだろうし、それはその人にとってだけ正しい。この解答で間違いはないと思うのに、なぜ責められ、人格を否定されるのか。「うまいこと言って口先だけで生きてる」とか。ひどい。もっとも「普遍的な解答はない」ということは言ったけど、わたし自身の解答をはぐらかしたせいかもしれない。

恐らくは彼女たちがした経験から「男女間に友情は成立しない」とわたしに言わせ、男側の代表に仕立て上げて、その意見を攻撃したかったのではないか。しかしですよ、人によるとしか言えない答えに対し、一つの絶対的な答えしか許さないとすれば、それは宗教か独裁国家でも作るしかない。

甘い物を「おいしいと思え」と意見を強制されることに意味はないわけで、わたしは「なぜ戦争がなくならないか、わかった気がする」などと言ったら、より人格を否定される攻撃を受けたのだった。この世に慈悲はない。もはや戦争しかない、と思ったが殺されるのがわかっているので降伏した。なにせ戦闘力が違う。ナマケモノとステルス爆撃機ぐらい違う。
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author:しゅん, category:日常, 23:46
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映画「SUPER8/スーパーエイト」
SUPER8/スーパーエイト
2011年 / アメリカ / 監督:J・J・エイブラムス / SF


スピルバーグへのラブレター
【あらすじ】
子ども達が自主制作映画を撮っていたら列車事故の現場に遭遇。事故後、街には怪事件が起こりだす。

【感想】ネタバレしてます。
スーパーエイトというタイトルを見たときは、エックスメンみたいな超能力を持つ子ども達が8人いる話かと思いました。力が強い、足が速い、空が飛べるなど。8人目の脇役になると能力も適当になって「先生が次に誰を指すかわかる」などで、8人目は他の能力者と入れ替えが検討されているとか、そういうやつです。どういうやつ?

スーパーエイトという言葉を知りませんでしたがフィルムの規格らしい。「1965年に発表された個人映画向けのムービーフィルムの企画である。コダックが開発した。規格の名称はスーパー8」(ウィキペディア)。劇中ではスーパーエイトという映画祭に出品するために、少年たちが自主制作のゾンビ映画を撮っています。

この子ども達が本当にいい味を出してるんですよねえ。主人公で模型造りが好きなジョー・ラム(ジョエル・コートニー、右から二人目)、火薬狂いのケアリー(ライアン・リー、左から二人目)、すぐに吐くマーティン(ガブリエル・バッソ、一番左)、そしてすばらしいのがハリウッド版ジャイアンのチャールズ(ライリー・グリフィス、一番右)。

この太っちょのチャールズのいかにも映画通ぶったセリフが楽しい。「リハーサルは適当でいい。名演技は本番にとっておけ」とか、駅の場面を撮影中に偶然、列車が入ってくるのを見て「作品のクオリティが上がるぞお!」と興奮する。

「作品に深味が出る」と、もっともらしい理由をつけてアリス(エル・ファニング)をキャスティングするが、実は彼女と仲良くなりたいだけというのがいい。

ところがアリスは、主人公のジョーと両想いに。二人の背後で腕組みポーズをするチャールズ、最高すぎる。ジョーとチャールズの、アリスを巡る恋の鞘当ても微笑ましい。チャールズは、ジョーがもてることに不満たらたらなんですが、最終的には「まあ、俺はデブで不細工で性格悪いから、しかたねぇか!」みたいになる。ジャイアンはジャイアンでも、映画版のジャイアン。ちょっといい奴なのだ。

子どもたちはエイブラムス監督の子ども時代なんですよね。DVD特典のインタビューで監督が語っていますが、子ども時代はちょっと変わっていて周囲になじめず苦労したようです。それを救ってくれたのが映画作りだったという。メイキングもいいです。

この映画は子どもと一緒に観られるように作ってあります。過激な暴力、性描写はないです。親と一緒にテレビを観ているときにベッドシーンが出てくるときの気まずさといったらもうないというか、ほとんど監督を呪い殺したくなりますが、そういう心配はない。アリスがゾンビの演技をしているときに、ふざけてジョーに噛み付くという、キスかどうか審議という場面があるぐらい。あれ、たまらん。あんなことされたら惚れる。とにかく微笑ましい。そんな淡い場面があるぐらい。

それぞれの家族愛も良かったですね。息子のゾンビ映画好きを心配して、息子の友だちを否定してしまう父(カイル・チャンドラー)。

「もっとふつうの友だちを作れ」って。ジャイアンだっていいやつだよ!ちょっと嫉妬深くて、わがままで、デブでモテナイけど。悪口しか書いてない。

随所随所に「E.T.」や「未知との遭遇」を思わせる場面がある。監督をはじめスタッフがスピルバーグを好きすぎるんですよね。しかしそれも仕方のない話である。エイブラムスの少年時代、映画祭で優勝して、スピルバーグの事務所から連絡をもらう。スピルバーグが子ども時代に撮った映画を編集してみないかという。

映画を撮ってる人からすれば神様みたいな人からそんな申し出があれば舞い上がらないわけがない。それから数年後、スピルバーグと一緒に仕事をすることになり、別れ際に「実は数年前、あなたの少年時代の‥‥」と言いかけたところ「憶えてるよ。あのときはありがとう」とか言われたらさあ!そんなの惚れるじゃんかー!スピルバーグ、ずるいわー!

こうしてエイブラムスはスピルバーグ先輩、大好きっス!一生ついていくっス!となってしまうわけだが、それも無理からぬこと。ただ、ここまでスピルバーグ色の強い映画となると、やはり「これE.T.っぽいなあ」と思ってしまう。

E.T.も未知との遭遇も観ていない子が、E.T.を観るよりも早くスーパーエイトを観た場合、スーパーエイトのほうに強く衝撃を受けることはあるかもしれない。CGもすごいし。作品が他の何かに似ているからといって評価を下げるのは不当で、単体で評価すべきなのだろうか。オリジナリティの問題というのはありそうだけど。

E.T.に比べると、やはりですね、宇宙人がかわいくない。あと人間をムシャムシャ食べます。ここらへんがねえ。まあ、そりゃ、食べることもあるだろうけど今ひとつ共感できないというか。主人公は食べられないんですよね。でも警官や頭にカール巻いたおばちゃんは食べられる。「コイツは食べる。コイツは食べない」この差がなあ。一応、主人公と宇宙人は通じ合ったということなのだろうけど。

宇宙から来るような極めて高度な知性を、それより劣る知性が理解できないというのは十分考えられる。わたしが犬だったとして、今まで信頼していた飼い主にどこかに連れて行かれてお腹を切られたら「えー!おまえ、味方だったんじゃないの?」となる。たとえ、それが犬のための外科手術だったとしても、犬は理解できないかもしれない。

だから、宇宙人が好き勝手やって、その行動が理解できなくてもいいとは思うんですよ。宇宙人の価値観だと、人間とカピバラでも、ほとんど違いはないのかもしれない。いろいろ事情がおありだろうし。ただねえ、ちょっと共感はできないんだよなあ。結局、食べたら駄目じゃんという。E.T.は、主人公との間に友情が築かれてるしね。

この映画は宇宙人を扱ったSFというよりも、タイトルにある「スーパー8」で自主制作映画を撮影した少年たちの冒険、友情、家族愛の物語なんですよね。だからスタンド・バイ・ミー、リトル・ランボーズなどが好きな人たちは、この映画を好きになるんじゃないでしょうか。面白かったです。


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author:しゅん, category:-, 12:34
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書き出し小説
▼書き出し小説大賞という遊びがあって、名前どおり小説の書き出しだけ書くだけのものである。あれ、楽しそうだなあと思っていた。今日は、バレンタインをテーマにひとつやってみようかと思いました。


「昨日、一生懸命作ったんです。受け取ってください」
差し出されたチョコを見て、修一は困惑していた。過去に「手作りって、カカオから栽培したんですか?」と訊き、チョコくれた相手を泣かせたことがあるからだ。もちろん悪意はない。

みずからを落ち着かせるように一つ咳払いした後、口を開いた。
「正確に言うならば、これは市販のチョコレートを成型したもので間違いないですね?」

彼の優しさはいつも裏目に出る。

「あの、これ、いつもお世話になってるんで‥‥」
総務の三上さんから、小さな灰色の紙袋を渡された。紙袋には「GODIVA」と印字されている。舞い上がったわたしは、思わず三上さんの体を抱きすくめた。

わたしがセクハラで会社をクビになってから三年八ヵ月後に、この物語は始まる。

「そこへ置くがよい」
籠をおおっていたびろうどの布が取り払われた。三人の男が談笑している。猿のような人懐こい顔をした男が籠をのぞき込んでくる。
「どれどれ、このホトトギスめにもチョコレートとやらを与えてみようかの」
籠の中に指先ほどの茶色の塊が投げ込まれた。くちばしの先でつついてみたものの、今ひとつ食欲がそそられない。足で蹴飛ばして籠の隅へと追いやった。

「鳥の分際で生意気な」
先ほどの人の良さそうな猿顔の男は慌てたように下がる。声の主は目の釣りあがった、瓜のように細長い顔の男だった。胸には木瓜の家紋が見える。これは織田家の家紋。するとこの男が‥‥。冷たい眼差しに背筋の凍る思いがする。男は黙って、わたしの入った籠を持ち上げた。

それが記憶に残る最期の光景だった。

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author:しゅん, category:日常, 21:55
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雪 鮫
▼今年はよく雪が降る。お世話になっている会社に行くと、女子大生バイトのアタシちゃんが雪国の厳しさを説いていた。彼女は東北出身らしい。今日も5センチ雪が降ったぐらいで電車が遅れた。彼女に言わせると「東京は根性が足りない!たるんでいるからそうなる!」だそうで、鬼軍曹みたいなことを言いやがると思いました。

▼そんな鬼軍曹と外出。「東京の雪の弱さって、どう思いますか?」と訊かれたけど、べつにどうも思わない。世の中、どうとも思わないことが多い。「いいんじゃないでしょうか‥‥」と答えたら怒られた。さすが鬼軍曹。

雪国のように毎年一定の降雪量があるなら、道路からお湯が出る装置や除雪車をたくさん配備すべきだろう。でもそこに膨大な予算を割り振るより、年に1、2回不便な思いをするほうが費用がかかんないという計算なんだろうねえ。それはおそらく正しいし、東京はその程度の不便を許容しているのだろう。知らんけど。

▼で、雪国育ちの人間によると東京の人は歩き方を知らないとのこと。小股で雪を踏みしめるように歩けば転ばないそうだ。歩き方の秘訣を教えてくれたアタシちゃんは会社を出てすぐ、ほとんど雪がないところでズデーンと、こけた。

「会社のみんなには‥‥、内緒にしてください」と、すがるような目で頼むのでうなづいた。

会社に戻ると「いやー、風が強くて寒かった。アタシちゃんも派手にすっころんだし大変だった。雪国育ちはさすがに転び方が違う」と言いました。5秒で約束を破った。「なんで言うんですかー!」と、慌てるのがおかしかった。裏切られてこそ人は強くなる。

▼埼玉県議会のサイトを見ていたら鮫の歯の化石プレゼントというのをやっていた。ときめくわー。たまらん。応募しました。応募要項に書いた鮫の歯への想いが良かったのか、たんに人気がなかったのか、当たった。買おうと思えば500円ぐらいで買えるけど。

モロッコのクーブリカで発掘されたもので、始新世(約5500万年〜約3800万年前)のものらしい。直径は3cmぐらいでしょうか。しかしなぜ埼玉県議会で配っていたのか、それが謎である。
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author:しゅん, category:日常, 22:56
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