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おぐじい

▼給排水管取替工事でのあれやこれや。取り替えたはいいものの調子が悪い部分もあり、いろいろ長引いている。

 

トイレの室内には手洗い器(画像はTOTOのサイトから)がある。手洗い器と排水パイプ(左側のパイプ)をつなぐパッキンの辺りから水が漏っている。もう古いから仕方ないのだけどパイプ交換で13000円ほどかかった。ブルジョアジーですし、まあそれぐらい良しとしようじゃないの。ほほほほほ。「もうこれで大丈夫です」と作業員はさわやかな笑顔を残して帰っていった。

 

修理を終えて安心していたら、今度は蛇口側のパイプ(右側)からも漏っている。ちょ、ちょっと、あーた、もう大丈夫って言ったじゃないの! あらたに見積もりをとったら、すまなさそうな顔をされたが3万円ほどする。まあそれぐらいするわなあ。美容院に一回行ったと思えばいいか、余裕余裕‥‥って、なるか。美容院というか、よく行く1000円カット30回行けるわ。3万てオイ。私の年収だぞ。

 

 

幸い左側のパイプほど派手に漏れるわけではない。水を使ってしばらくすると、雫がポタリポタリと4、5滴、床に落ちる程度。これに3万出すー? 悩む。自分でなんとかしよ。

 

 

簡易的な加湿器がある。上の商品のようなものだけど、水を右側の紙が吸って大気中に水分を放出してくれるというもの。これと同じ材質の紙を持っているので、切り取って手洗い器の下に貼り付けてみた。うまい具合に水を吸ってくれている。紙は乾きやすい性質なので、これで十分かも。解決した。工事費3万円浮いた。カリスマ美容室いってこよ。

 

 

 

▼まん丸のドングリを見つけた。暑い暑いと思っていたが、秋はいつの間にか訪れていた。

 

友人A子が引っ越したという。よく引っ越す人。1年ごとに引っ越しているような。警察に追われているのかもしれない。コロナでA子が住んでいたアパートの大家の経営する会社が傾き、アパートを売却。買い取った新しいオーナーは、その古いアパートを立て替えたいらしく、住民に立ち退き要請があったらしい。こんなところまでコロナの影響が。ともかくA子はアパートを出ることに。

 

転居先は生まれ育った実家の近くだそうで、ご自慢の「あたしの町」を案内してもらう。栄えているわけでも、寂れているわけでもない。どこにでもあるような東京郊外の住宅街だった。だが、町の様子はだいぶ様変わりしたらしい。もうなくなってしまった駄菓子屋、作り変えられた公園、新しく建った商業施設など、街は30年もすればだいぶ表情が変わってしまう。

 

懐かしいんだけど、どこか知らない街みたいと言っていた。小学校の角を曲がったところ、今にも崩れそうなボロボロの平屋建ての家があった。「この家!」とA子の声が高くなった。家の側面は蔦に覆われ、人が住んでいるのかどうかすらわからない。「懐かしいなあ。ちょっとだけ思い出がある」。A子は背の高い雑草に囲まれた家を穏やかにみつめていた。

 

A子が小学生の頃、その家にはおじいさんが住んでいた。おぐじい(名前が小倉さん?)と、子供たちに呼ばれていたという。彼は小学生の登下校を見守るボランティアをかって出て、いつも子供たちを見守ってくれていた。だが、ある日、おぐじいを「ジジイ」と罵った子がいた。怒ったおぐじいは学校に怒鳴り込んできたという。おぐじいを罵った子はA子のクラスにいた。本来なら、その子が謝りに行けばいいのだろうけど、いろいろと問題がある子らしく、担任だけが謝罪に行くことになったという。そして、当時学級委員長をしていたオサダ君、副委員長のA子は、いつも登下校を見守ってくれている感謝を伝えるために、おぐじいに手紙を渡すことになった。その手紙はオサダ君とA子が相談して書くことになった。面倒なこと。

 

おぐじいの家を担任と訪れたとき、彼はまったく怒っておらず、オサダ君とA子をお菓子やジュースでもてなしてくれたという。ボランティアをかって出るぐらいだし、元々は子供が好きなのだろう。担任が謝罪し、おぐじいも謝罪を快く受け入れ、二人は手紙を渡し、なんとか丸く収まったという。A子にとっておぐじいはどうでもよく、好きだったオサダ君と一緒にいられることが嬉しかったらしい。放課後も、おぐじいに渡す手紙の内容を相談したり、おぐじいの悪口を言ったりして楽しい時間を過ごしていたそうだ。

 

何日かして担任からクラス全体に話があったという。おぐじいの家のポストに手紙が入っており、子供の字でよくない言葉、内容は具体的に言わなかったが「バカ」とか「死ね」とか、そんな言葉が書かれていたという。担任からは「このクラスにはいないと思うが、そういう人を傷つけることは絶対にやめるように」と注意があった。

 

事件の発端になったおぐじいを罵った子は、周りから「おまえがやったんじゃねーの」と囃し立てられたが、笑って否定していたという。その様子は自然でまったく嘘をついているようには見えなかったらしい。A子は、手紙を書いたのはオサダ君であることが直感的にわかったという。オサダ君の方を見ると、彼はきまり悪そうに目をそらしたそうだ。それだけでオサダ君を疑うのはどうかと思うのだけど。「間違いないと思う。今でもそう思っている」とA子は強いまなざしで私を見た。

 

A子の想像では、オサダ君も放課後に手紙の内容を相談したりしゃべったりするのが楽しくて、もう一度、事件を起こせばまた同じような時間が過ごせるのではないかと考え、それでオサダ君が手紙を書いたんだと思うと言った。それからA子はオサダ君のことがなんとなく怖くなり、距離をおいてしまい、関係は発展することもなかったとか。オサダ君にしてみれば、A子がジロジロ見てきたので、目をそらしただけかもしれない。すべてはA子の想像でしかなく、本当のことは手紙を書いた本人にしかわからない。

 

おぐじいは、それ以来、角に立って子供の登下校を見守ることはなかったという。なんの特徴もない町にも、知らないところで常に何かが起こっている。日は短くなり、長袖を持ってこなかったことを後悔しはじめていた。

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author:しゅん, category:日常, 23:21
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